多汗症の治療法5,6
多汗症治療5…星状神経節ブロック
星状神経節は、喉にある神経節のことで、7つある首の骨の一番下にある第七頸椎の両側にあります。ここは頭、顔面、首、肩、腕、胸、心臓、肺などの神経が集まっているところです。輪切りにすると星のような形をしているので“星状”という名前がついています。この星状神経節にごく少量の局所麻酔薬を平均30回以上繰り返して注入するのが「星状神経節ブロック療法」です。
星状神経節に少量の局所麻酔薬を注入すると、神経のツボが一時的に麻痺し、緊張が緩みます。それによって、呼吸、脈拍、血圧、体温、発汗、睡眠、排尿、排便などをコントロールしている自律神経の調子が正常に戻り、さまざまな症状や病気が改善され、発汗もおさえることができるのです。この治療法は多汗症だけでなく、頚椎ヘルニアや顔面神経麻痺、片頭痛など多くの疾患の治療にも用いられています。
治療効果は数ヶ月間続きます。また、上半身の多汗症には効果が期待できるものの、下半身の多汗症には効きません。効果の程度にも個人差があるのが現状のようです。
多汗症治療6…交感神経切除術
今までも述べてきたように、発汗は交感神経の興奮によって促されます。そこで、この交感神経を根元でバッサリ切断してしまおうというのがこの治療法です。この方法は少し前までは開胸して行う大掛かりな手術でしたが、最近では胸に二ヶ所ほど穴を開け、一ヶ所からは内視鏡カメラを、もう一ヶ所からは操作用アームを挿入して行います。傷跡は小さく目立ちませんし、時間は30?40分程度です。全身麻酔で行います。
この治療法では、上半身、とくに首から上の部分の発汗が抑えられます。したがって、下半身の多汗症には不向きな治療です。やはり効果には個人差があり、上半身の発汗が抑えられても、下半身の発汗が代わりにひどくなってしまう人もしばしばいます。一度切ってしまった交感神経は再び元に戻ることはありませんので、信頼できる医師やカウンセラーと十分に相談することをお勧めします。